任意自動車保険に加入しないとどうなる
少し古い数字ですが国土交通省の社会資本整備審議会が発表した資料(2002年)によれば、「一生のうち交通事故にあう人は2人に1人」とされています。
例えばあなたが不運にも人的損害の発生する交通事故に遭遇してしまった場合、自賠責保険にしか加入していない場合は自賠責保険で賄いきれない相手方の人的損害分についての賠償金は全額あなたの自己負担となってしまいます。
自賠責保険と任意自動車保険とでは人的損害に対して賠償範囲が異なり、自賠責保険では対応範囲外な名目でも任意自動車保険では賄われるものもあります。
その不足を補うのが、任意自動車保険です。
不足部分の金額が数千円で済む場合から数百万以上に及ぶ場合もあり様々です。
交通事故の相手方の人的損害の程度次第で変わりますが、自賠責保険の加入のみで公道を走行するのはやはりリスクが高いのです。
また、人的損害を伴わない交通事故の場合であっても、物理的損害のことがあります。
物理的損害とは、交通事故の相手方の車やバイク、軽車両などがイメージしやすいでしょうか。
しかし、物理的損害は実際にはそれだけではありません。
他に、道路上に立っている信号や各種道路標識、いろいろな看板、民家の壁や民家そのものなど民事上財物とみなされる物全てが物理的損害です。
ガードレールも壊してしまえば、国土交通省の管轄部署から請求がきます。
これら交通事故の物理的損害については、あなたの賠償責任分(=過失割合分)は相手方の物理的損害についての賠償をしなくてはなりません。
しかし、自賠責保険では相手方の物理的損害を一切賄う事ができず、法的賠償責任が課せられる自身の相手方への物理的損害賠償については全額自己負担をしなくてはならないのです。
任意自動車保険会社が交通事故をしたあなたの代わりに行うこと
管理人の経験上、交通事故は双方の立場における双方の交通事故認識やそれに対しての主張が大きく乖離する場合が多々あり、感情的になることで示談交渉が難航しがちです。
あなたは自身の仕事以外に、交通事故の相手方と示談交渉もしなくてはならず、それに付随する調べ物や、各方面への相談等に奔走せざるを得ない状況が容易に想像できます。
あなたの日常生活において時間的労力的精神的に非常に負担となることが想定されます。
また、相手方への賠償が高額となる場合は当然お金の心配もしなくてはなりません。
交通事故に遭遇した場合、任意自動車保険会社は次のことをあなたの代わりに行います。
- あなた自身に課されている相手方への法的損害賠償責任割合を適切に判断し、相手方と示談交渉を行う。(示談代行サービス)
- 示談交渉と並行して双方の損害金額が妥当か否かを判断、場合によっては交渉により損害金額の適正化を図る。(損害金額の適正化)
- 相手方と示談を行い、あなた自身の法的損害賠償責任をあなた自身の代わりに果たす。(保険金=賠償金の支払い)
これら4要件は各方面に専門知識が必要であり、ある程度時間的精神的労力的余裕が必要です。
交通事故は元よりそれに付随する各方面へ精通し、交通事故に時間や労力を割くことができ、よほど資力のある人でない限りは任意自動車保険に加入することをお勧めします。
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